ファミリーマート等、能登地域でドコモと連携した「移動型販売店舗」の実証実験を開始

株式会社ファミリーマート、株式会社NTTドコモ、NTTドコモビジネス株式会社の3社は、2026年7月15日、石川県能登地域において、キッチンカー型の「移動型販売店舗」の運行に関する実証実験を開始しました。今回の取り組みは、2025年9月に発表した、平時および災害時において石川県の能登地域の住民の暮らしを支えることを目的とした協業の検討に基づくものです。

背景にある能登の課題

2024年の能登半島地震では、各所で基地局などの故障により通信が遮断されるなど、通信インフラに大きな被害が生じました。加えて、地域の高齢化や人口減少によって買い物に不便を感じる住民が増えていることも、今回の実証実験の出発点となっています。こうした課題を解決するため、ファミリーマート、ドコモ、NTTドコモビジネスの3社は、コンビニエンスストアを起点として能登地域の住民の暮らしを支える取り組みを検討してきました。

実証実験の概要

本実証は、移動型販売店舗が平時には買い物に不便を感じている地域住民の生活を支え、有事の際には被災地支援や情報・通信の拠点として機能するかどうかを検証するものです。具体的には、2026年7月15日より、輪島マリンタウンをはじめとする北陸地方を中心に運行を開始しました。

走行場所の選定には、ドコモが提供するAIエンジン「docomo Sense」による人流などの分析結果が活用されており、地域住民が利用しやすい地域が選ばれています。車両には、住民向けの充電スポットとなるマルチチャージャーや、NTTドコモビジネスが提供する衛星通信「Starlink Business」などのICT設備も搭載されており、無料Wi-Fiの提供も行われます。販売面では、飲料や食料、日用品に加え、コーヒーや「ファミチキ」などのできたての飲食物の提供が可能です。

「どこでもファミマ号」の設備と役割分担

今回投入された車両は「どこでもファミマ号」と名付けられており、車内には揚げ物調理器や冷凍庫、コーヒーマシンなどを備えています。平時は買い物弱者支援として過疎地で営業し、災害時には避難所で生活必需品やできたての飲食物を無料提供する計画です。また、スターリンクによるWi-Fiや蓄電池、スマートフォンの充電設備も備えており、住民の携帯電話の位置情報から支援が必要な場所を割り出す機能も持たせています。

3社の役割分担は、ファミリーマートが移動型販売店舗の開発・運営およびファミリーマート店舗・移動型販売店舗の購買データの提供を担い、ドコモは走行場所検討における「docomo Sense」の提供とマルチチャージャーの提供、NTTドコモビジネスは「Starlink Business」「モビスキャ」、デジタルサイネージ、蓄電池の提供を担当します。

運行スケジュールと今後の展開

7月16日以降は、輪島市内の寄り道パーキング七浦や稲屋第一仮設団地、本郷第一仮設団地など仮設住宅団地を中心に巡回します。8月には珠洲市の正院町第一団地仮設住宅などでも運行が予定されており、その後は北陸三県と長野県内でも実証実験を進めていく計画です。

なお、7月15日には輪島市マリンタウンでお披露目会が開催され、ファミリーマートの元永洋介中日本地域代表、NTTドコモの北本彰充北陸支社長、NTTドコモビジネスの川野一成北陸支社長のほか、石川県の浅野大介副知事、輪島市の中前豊副市長らが出席しあいさつを行いました。

情報・通信支援も含む災害支援機能を備えた移動型販売店舗としては、コンビニ業界初の取り組みとなります。3社は今後、実証の成果を踏まえて能登地域における移動型販売店舗の有効性や運用課題を検証し、地域の実情に即した運用モデルを確立するとともに、全国の支援が必要とされる地域への展開も視野に入れながら検討を進めるとしています。

編集部の視点

今回の取り組みは、単なる過疎地向けの移動販売にとどまらず、「平時のビジネス」と「有事の防災インフラ」を一台の車両で両立させようとする点が特徴的です。コンビニチェーンの物流・購買データと、通信キャリアの人流分析・衛星通信インフラを掛け合わせることで、被災地支援の初動を早める効果も期待できそうです。石川県での実証結果が、今後全国の中山間地域や買い物弱者対策のモデルケースとなるか、続報に注目したいところです。

info@retail-spy.com
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