2026年4月10日、無印良品(MUJI)を展開する株式会社良品計画は、「2026年8月期 第2四半期(中間期)決算短信」および「業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」を開示した。結論から言えば、同社の今回の決算は「圧倒的な収益力の向上」を印象付ける、極めて力強い内容となっている。
第2四半期は大幅な増収増益、営業利益は24.8%増
企業が公式に開示した決算短信によれば、2025年9月1日から2026年2月28日までの第2四半期(中間期)における連結売上高は4,385億4,900万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は450億4,500万円(同24.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は342億6,200万円(同34.5%増)となった。
この目覚ましい業績向上の背景について、良品計画は一次資料のなかで明確な要因を挙げている。最大の貢献要素は「自社生産の強化を通じた原価低減」による売上総利益率(粗利率)の改善である。さらに、海外事業における力強い売上成長が牽引し、全社的な販管費比率の低下をもたらした。トップライン(売上)を伸ばしながらコストコントロールを効かせるという、小売業において理想的な収益構造が機能していることが読み取れる。
足元の国内販売も極めて好調である。同社がIRサイトで公表している「月次概況(2026年8月期)」によると、直近の2026年3月度においても、衣服・生活雑貨・食品の全カテゴリで前年実績を上回った。特に3月下旬に開催された会員向けセール「無印良品週間」が祝日スタートとなった追い風もあり、直営既存店およびオンラインストアの売上高は前年比103.7%、全店ベースでは109.6%と高い伸びを記録している。
通期業績を上方修正、株主還元も強化
中間決算の力強い着地を受け、良品計画は同日付で通期(2026年8月期)の業績予想の上方修正も発表した。
修正後の通期予想は、売上高8,870億円(前回予想から上方修正)、営業利益890億円、経常利益880億円、親会社株主に帰属する当期純利益620億円を見込んでいる。「海外事業の好調な推移」と「為替の円安効果」が当初の想定を上回ったことが主な修正理由と説明されている。2026年2月末時点での全世界の店舗数は1,460店舗に達しており、グローバルな店舗網拡大が着実に全社業績を牽引していることが分かる。
業績の好調は株主への還元にも直結している。同社は期末の年間配当予想について、前回発表から4円増配となる「1株あたり32円」へと引き上げた(※同社は2025年9月1日付で1株につき2株の株式分割を実施しており、これを考慮した実質的な増配となる)。
「MUJI REPORT 2025」から読み解く戦略的背景
今回の好決算は、決して一過性の外的要因(為替など)だけで達成されたものではない。良品計画が発行した最新の統合報告書「MUJI REPORT 2025」を参照すると、同社の緻密な中長期戦略が浮かび上がる。
同社は現在、「8つの成長ドライバー」を掲げ、グローバルでの具体的な成長施策を推進している。特に注目すべきは、2026年8月期から2028年8月期までの3カ年計画において、当初の目標を1年前倒しして「営業利益率10%」を達成するという力強いコミットメントである。今回の中間決算では営業利益率がすでに10%を超える水準(約10.2%)で着地しており、この前倒し計画が非常に現実的な軌道に乗っていることを数字が証明している。
また、報告書内では「防災」や「文化・芸術・伝統」をテーマとしたイベントなど、社会的インパクトの創出にも言及されている。ESGの観点からも地域社会との共生を図りながら、長期的に企業価値を高める姿勢が貫かれている。




